2026/05/07 13:26

力強い色彩と大胆な構図が印象的な、三代 三ツ井為吉による古九谷写の大皿です。

中央には雉が描かれ、その周囲を深い緑と赤絵による幾何学文様が囲み、

古九谷特有の濃密な装飾性を感じさせます。


見込み部分に広がる青海波のような細かな地紋も美しく、

静けさの中に強い存在感があります。


三ツ井為吉は九谷焼の色絵を代表する作家のひとりであり、

とくに古九谷の意匠研究に優れた仕事を残しています。


この大皿にも、古九谷が持つ豪放さと緊張感がよく表れており、

単なる写し物ではなく、現代まで受け継がれる九谷焼の美意識として成立しています。


雉は古くから吉祥性を持つ鳥として扱われ、日本画や工芸の題材としても親しまれてきました。

華やかな色彩の中にありながら、どこか凛とした空気が漂っているのは、

この図柄によるところも大きいと思います。


直径のある大皿なので、飾皿として空間に置いた際の迫力も格別です。

壁面や棚飾りとしてはもちろん

、静かな空間の中で一点置くだけでも景色をつくってくれる器です。


古九谷の魅力を現代に伝える、存在感のある一枚です。