2026/06/08 17:55
最近、『和樂』で連載されている『白洲正子に学ぶ骨董入門』を読んでいて、
改めて古伊万里について考えていました。
その中で紹介されていた白洲正子さんの
「使っていると物を見る目はおのずから生まれてくる」という言葉が印象に残っています
。知識を集めることも大切ですが、まずは使ってみること。
日々の暮らしの中で触れ続けることで、少しずつ見えてくるものがあります。
今回ご紹介するのは、くらわんか手の茶碗です。
くらわんか手は江戸時代の庶民の日常雑器として生まれた器で、
古伊万里の中でも気負わず使える存在だと思います。
骨董としての価値を鑑賞するというより、まずはお茶を飲み、日本酒を楽しみ、
日々の食卓で使ってみる。
そんな付き合い方が似合う器です。
私自身、この茶碗を気に入って長く手元に残していました。
しかし同じような用途で使っている古染付の茶碗があり、
気が付けばこちらは棚の中で過ごす時間の方が長くなっていました。
古道具を扱うようになってから思うのは、
持つことよりも使うことの方が大切だということです。
そして使い続けるためには、ときに手放すことも必要になります。
決して嫌いになったわけではありません。
むしろ気に入っているからこそ、自分の棚の中で眠らせておくより、
誰かの日常の中で使われていた方が良いと思いました。
次の持ち主の暮らしの中で、この茶碗が新しい時間を重ねてくれたら嬉しく思います。
現在、ヤフオクにて出品しております。良いご縁があれば幸いです。

