2026/07/30 09:41
古い家へ行くと、不思議なくらい残っているものがあります。
屠蘇器や御櫃、御櫃膳、杓文字。
今では普段の暮らしで使われることは少なくなりましたが、少し前までは、どこの家にも当たり前のようにあった道具です。
今回ご紹介する5点も、能登で長く使われてきた輪島塗です。
屠蘇器は、お正月に家族でお屠蘇を酌み交わすためのもの。
御櫃は炊きたてのご飯を移し、御櫃膳は食卓を支え、杓文字は毎日の食事をよそう。
どれも特別な日のためというより、暮らしそのものを支えてきた道具でした。
こうした道具を見ていると、「器は料理を盛るもの」というより、「時間を受け継ぐもの」なのだと感じます。
擦れた漆や細かな傷は、その家で繰り返された食事の回数なのかもしれません。
誰かが毎日手に取り、家族のために使い続けてきた証でもあります。
便利な道具はいくらでもある時代ですが、古い道具には便利さとは違う豊かさがあります。
それは、使う人の暮らしが少しだけ想像できることです。
megurumeguruでは、そうした時間ごと受け継がれてきた道具を、これからも紹介していきたいと思っています。

