2026/08/01 18:09

古い器を手にすると、その時代の暮らし方が見えてくることがあります。

今回ご紹介するのは、季節の草花や風景が丁寧に描かれた九谷焼の中皿。華やかな色絵や金彩に目を奪われますが、この器の魅力は装飾の美しさだけではありません。

1枚目は、籠に活けられた菊の図。菊は古くから長寿や無病息災を願う吉祥文様として親しまれ、秋の訪れを知らせる花でもあります。余白を大きく残した構図は、描かれた草花をより際立たせ、日本らしい静かな美意識を感じさせてくれます。

2枚目は、四季折々の情景を見込に配した色絵皿。それぞれ異なる風景が描かれ、中央を囲む細密な青粒と金彩が器全体を引き締めています。料理を盛る器でありながら、一枚の絵画を眺めるような愉しさがあり、使わない時間でさえ暮らしを豊かにしてくれる存在です。

現代では器を効率や用途だけで選ぶことも少なくありません。しかし昔の人々は、季節を感じ、祝いの日を彩り、その時々の空気まで器に映していました。

そうした時間の積み重ねを経て残ってきた器だからこそ、単なる古道具ではなく、暮らしの文化そのものを受け継ぐ存在なのだと思います。

megurumeguruでは、こうした背景も含めて能登から次の持ち主へ届けていきたいと考えています。使うたびに季節を識り、食卓に小さな物語が生まれる。そんな器との出合いを、ぜひ愉しんでいただけたら嬉しいで