2026/09/13 14:18
能登の市場でまとまって視つけた、九谷の作家・勝山の作品。制作アルバムや制作途中の器、見本・展示品などとともに残されていた一群から、今回は龍を描いた3つの器を紹介します。
勝山は1938年、石川県野々市町野代生まれ。1963年より作陶を始め、日展、日本現代工芸展、中日国際陶芸展、石川県現代美術展などに出品。石川県現代美術展最高賞、金沢市工芸展県知事賞などを受賞し、1989年までに日展へ10回入選しています。
九谷 勝山 色絵 龍花文 5寸皿
染付を思わせる青を基調に、赤や緑、黄を添え、草花の中を2匹の龍が舞う構図。古伊万里や古九谷など古陶磁の意匠を下敷きにしながら、余白を残した軽やかな絵付けに勝山らしさがあります。
同じ意匠で3枚視つかった作品ですが、ご紹介して間もなく3枚とも売約済となりました。勝山の仕事に目を留め、選んでくださり、本当にありがとうございます。
九谷 勝山 色絵 龍花文 6.5寸皿
5寸皿と同じく、中国の元から明代にかけての色絵磁器を思わせる意匠を取り入れた作品です。
ひと回り大きな6.5寸の器面には、赤や緑、黄などの色彩とともに草花が広がり、その間を4匹の龍が舞うように描かれています。
5寸皿では2匹だった龍が4匹となり、文様の密度も増しています。それでも重厚になりすぎないのは、伸びやかな線と明るい色彩によるもの。古典的な龍や草花の意匠を受け継ぎながら、現代の食卓にもすっと馴染むような軽やかさがあります。
同じ意匠を2枚視つけ、状態に個体差があるためone/twoとしてそれぞれ紹介しています。
九谷 勝山 色絵 龍文 6.5寸鉢
こちらも龍を描いた作品ですが、四角くゆるやかに歪んだ器形が印象的です。
見込みには大きく龍を配し、外側にも龍や雲、宝物の文様を展開。古典的な龍文を用いながら、どこか愛嬌のある表情と伸びやかな線によって、日常の器へと引き寄せています。
3点を並べてみると、同じ「龍」という古典的な題材でも、器形や余白、色、文様の密度によって、それぞれまったく異なる表情が生まれていることがわかります。
古いものをそのまま写すのではなく、古陶磁の意匠を自分の中で咀嚼し、現代の暮らしへと軽やかに置き直していく。
今回まとまって視つかった作品をみていると、そんなところに勝山という作家のおもしろさがあるように思います。
