2026/09/22 20:32

この連休は能登は祭りで、あちこちに奉燈や神輿などをみかけました。私達の住んでいる能登・中島町もお祭りでした。連休と重なったせいか、例年より来る人が多かったようです。

俳句で「祭り」といえば夏らしく、秋といえば「月」や「虫」ということになるらしいです。今年の夏は能登は涼しくて過ごしやすかったです。地震や台風、大雨など日本は自然災害続きですが、これにへこたれず、日々を楽しく過ごしていけたらなと思います。

最近は涼しくなったせいか、漆のものをまとめてお求めくださる方がちらほらと現れています。前は黒漆の方を選ぶ人が多かったのですけど、今年は特に朱の漆の方を選ぶ方が多いです。

では、最近アップしたものを紹介させていただきます。

まずは能登・中島町の名家からレスキューした、輪島塗の黒漆卓上膳です。

その家のお祖父さまは茶人で、茶道具をはじめ、日々の暮らしの中で使われてきた漆器がいくつも残されていました。本品もその中から譲り受けたものです。

一辺約24cm、8寸ほどの小ぶりな角膳。四隅に短い脚を設けた低い姿で、黒漆のみで仕上げられた簡素な佇まいが魅力です。装飾を持たないからこそ、輪島塗らしい漆の艶と端正な形がよく表れています。

続いてはこちらも同じところでレスキューした、艶やかな朱塗に沈金で松竹と鳥を描いた輪島塗の蓋付椀です。

蓋の中央に鳥を配し、その周囲へ松と竹を伸びやかに描いた意匠。細く彫られた線に金を施す沈金によって、鳥の羽や松葉、竹の葉まで繊細に表現されています。朱漆の深い色合いに金の文様がよく映え、華やかさがありながら落ち着いた佇まいです。

沈金は、漆の表面に文様を彫り、その溝に漆を摺り込んで金箔や金粉を施す装飾技法。輪島では高度な技術として受け継がれ、輪島塗を代表する加飾のひとつとなっています。

最後にご紹介させていただくのは、能登・中島町でレスキューした朱塗の蓋付椀です。

艶のある朱塗に、沈金で草花が描かれています。蓋には大きく余白を残しながら草花が配され、華やかな朱と金の組み合わせながら、どこか素朴な佇まいがあります。

能登の暮らしのなかに残されていた古い漆器です。産地である輪島からもほど近い土地で、こうした漆器が日々の器として使われ、受け継がれてきたことも、能登の古いものを扱うなかで大切にしたい背景のひとつです。

どれも古い漆器のため、経年による擦れや小傷、漆の傷みなどがみられます。写真をご確認のうえ、古いものならではの風合いとしてお愉しみいただけたらと思います。