2026/10/10 13:56


昨日に引き続き、九谷の作家・吉田勝山の作品を紹介させていただきます。

昨日は、龍泉窯の青磁に通じる牡丹文の皿と、未完の赤絵を紹介しました。

今日は、李朝陶磁を思わせる2つの花器です。

まずは、ふっくらと丸みを帯びた染付の花器。

丸い胴から細い口がすっと伸びた造形に、濃淡のある呉須で花や葉が大らかに描かれています。

絵付けは器面全体を埋めるのではなく上部に集中し、下には白磁の余白を大きく残しています。整いすぎていない筆の動きも含めて、李朝陶磁を思わせるおおらかさがあります。

花器ではありますが、個人的には花をいけず、そのまま置いておくのもいいと思っています。

絵付けだけではなく、このふっくらとした形そのものを楽しみたい器です。

もう1点は、同じ染付でも随分と印象が違います。

八角形に面取りされた胴に、細長く伸びた首と朝顔形に開いた口。李朝の面取徳利を意匠に取り入れたと思われる花器です。

こちらは胴の下部に、濃淡のある呉須で山水文が描かれています。

面白いのは、山水文を大きく描き込むのではなく、下の方にまとめているところ。上部に残された白磁の余白によって、独特の軽さがあります。

直径は約14.5cm。

季節の枝ものを1本いけてもよさそうですし、こちらも何もいれず、造形と染付だけを楽しんでもいい。

同じ勝山による染付の花器。

ひとつは李朝白磁を思わせるふっくらとした造形に花文。もうひとつは面取徳利を思わせる造形に山水文。

九谷というと、どうしても華やかな色絵を思い浮かべます。

けれど勝山の作品を続けて扱っていると、色絵だけではなく、中国陶磁や李朝陶磁など、さまざまな古い器の意匠を自分なりに取り込んでいたことがわかってきます。

今回の2つは、そんな勝山の別の一面がよく現れた花器だと思います。

2点とも現在オンラインショップに掲載しています。