2026/08/07 16:41
能登半島地震後、多くの家で長く使われてきた道具が行き場を失い、市場にはそうした品々が数多く並ぶ時期がありました。
今回ご紹介する2つの漆椀も、その中でご縁があり、お譲りいただいたものです。
ひとつは、黒漆に松竹梅を金蒔絵で描いた吸物椀。もうひとつは、輪島塗の黒漆に桜を梨地蒔絵で表した吸物椀です。

松竹梅には祝いの席にふさわしい華やかさがあり、桜の椀には梨地ならではの細かな金粉の柔らかな輝きがあります。同じ黒漆の椀でも、そこに施された意匠によって表情は大きく異なります。
こうした蓋付の椀を視ていると、家族が集まる正月や祝いの日、季節の料理が並んだ食卓まで想像したくなります。
器は、使われなくなったところで役目を終えるわけではありません。
能登の暮らしの中で使われてきたものを、もう一度、これからの食卓へ。
そんな循環もまた、megurumeguruで続けていきたいことのひとつです。
